東京地方裁判所 昭和26年(ワ)3624号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事実と判斷)
本件は、賃料を引続き三年以上支払わなかつた賃借人に対し催告もなくして賃貸借解除の意思表示をしたことを有効と認めた事例である。その理由に曰く。
「賃貸借は、当事者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約であるから、賃貸借の継続中、当事者間の一方に、その信頼関係を破壞し、賃貸借の継続を著しく困難ならしめるような不信行為のあつた場合には、相手方は、何らの催告を要せず、直ちに賃貸借を將来に向つて解除することができるものと解しなければならないのであるが、被告は、訴提起までに引続き三年有余の間賃料を全然支払つていないのであつて、このような長期に亘る賃料の不払は、特別の事情が存在しない限り、賃借人たる被告において、賃貸借の継続を著しく困難ならしめるような不信行為を行つているものとみなければならないのであるが、本件においては被告の右のような長期に亘る賃料の不払を正当化するような事情が認められないのであるから、結局原告の前記訴状による契約解除の意思表示は、有効であるといわなければならない。」